強く正しく美しく。

KAT-TUNの魅力が伝わるきっかけの一片にでもなれば。

KAT-TUNのライブツアー「10Ks!」を生で見て、DVDで見て、感じたこと。

私はいわゆる「ごく出」のKAT-TUNファンで、言ってみれば11年間ずっとKAT-TUNのファンを続けてきたことになる。当時「ごく出」なんてにわかファンの代名詞みたいに言われていたのに、気づけばもう10年以上が経っている。

もちろん「ごくせん」よりずっと前から今に至るまで応援されているファンの方だっているから、自分が古株だなんて言うつもりは全くない。学生時代は、部活があったりお金が無かったりで、見逃したTV・買い逃したグッズ、雑誌だってたくさんある。

それでも細々とでも11年間、KAT-TUNのファンで居続けていることは確かだ。メンバーの脱退も、そのたびに這い上がるKAT-TUNも、全てリアルタイムで見てきた。

 

幾度もの苦難を経ての10周年記念ライブ。始まる前は、ファンの間にも世間的にも悲壮感が漂っていた。でも一連のライブツアーで、他でもないKAT-TUN本人たちが、鬱屈とした感情を全て吹き飛ばしてくれたように思う。

 

ああ、KAT-TUNは、3人でも大丈夫だ。

 

ライブ中にうっすら思ったことを、今回のDVDで再認識させてくれた。

 

これまでファンをやってきた中で、メンバーそれぞれに対して何となくのイメージを思い描いていた。

亀梨くんのことは「自分の魅せ方を知っている絶対的エース」だと思っていた。

上田くんのことは「KAT-TUNのために自らのキャラを180度転換することも厭わないアツい男」だと思っていた。

中丸くんのことは「ファンのニーズを誰よりも察知して、それ相応のものを提供してくれる」と思っていた。

もちろん大枠では間違っていないだろうし、今後の立ち位置もそのまま大きくは変わらないと思う。

けれど、11年間ファンをやってきた中で持っていたそんなイメージが、今回のライブで大きく塗り替えられた。

 

ダンスパートでは衣装をはためかせて舞い踊り、ソロパートで特効を駆使し、要所要所でファンを湧き立たせる一言を放つ上田くんは、まぎれもなく自分の魅せ方を分かっていた。

シューイチの密着取材では怯えながら銃を撃っていたのが、本番で別人のように冷たい目で前を見据えて空間を切り裂く中丸くんは、まさしく自身のキャラを変貌させたようだった。

トリプルアンコが終わった後、誰もが興奮冷めやらぬ中で「お客さんにお尻向けちゃダメなんだけどね」とおどけてみせる亀梨くんは、間違いなくあの場で一番にファンの事を気にかけていた。

私の持っていたそれまでのイメージが、更新されるのではなく、新たに積み重ねられていく。そんな感慨が、あのライブにはあった。

 

KAT-TUNは3人でも大丈夫だ」

そう思ったのは、3人のそんな姿を見たからだと思う。3人がそれぞれ、お互いの長所や強みを吸収し合って、自分なりの武器にしていく。あの日のライブから今に至るまで、その過程を目の当たりにしているのだろう。

 

KAT-TUNは今も昔も、進化し続けている。その一端が見られるのがまさに、今回のライブツアー「10Ks!」だと思う。

ライブDVDはいつも以上に、メンバーの表情がクローズアップされていた。それだけに心が痛んだ場面も多かったけれど、それ以上に見ごたえがあって、見終わった後の満足感が大きかった。

ライブに参加した人もできなかった人も、ライブ後にファンになったという人も、あまりよく知らないけれど何となく気になるという人も、全ての人に見てほしい。

進化し続けるKAT-TUNのその一端を、目の当たりにしてほしい。